今回おすすめするのは、1日1個食べると医者いらずといわれる栄養満点の「りんご」です。生協が取り扱っているりんごの種類は多いのですが、その中で今回おすすめするのは津軽産直組合の「サンふじ」です。
皆さん、「サンふじ」の「サン」って何かご存知ですか?私、長い間生協で働いているのですが、初めて知りました・・・
1.りんごの歴史
りんごの原産地は中央アジア(カザフスタン南部)エリアと考えられており、新石器時代(約8000年前)の炭化したリンゴがトルコで発見されている。日本の歴史に登場したのは、平安時代中期頃で中国から伝わったとされています。
そして、大々的に栽培がおこなわれ始めたのが明治初期、ドイツ人が北海道で栽培を始め、その後青森県で栽培が広まったようです。
2.日本国内の生産量
リンゴの収穫量第一位は、青森県で全体の約6割を占め、次いで長野県が約2割とこの2県で全国の約8割のりんごが作られていることになります。
3.コープしこくの取引先
●津軽産直組合 青森県青森市浪岡
生産者40数名
生産量において青森市は県内では2位、全国では3位を誇っています。(1位弘前市、2位長野市)
青森市の中でりんご栽培が盛んな地域は浪岡地域で、市内全体の約95%の生産量を占めています。
※りんご以外にも津軽りんごジュースも生産
●岩木山(いわきさん)りんご生産出荷組合 青森県弘前市
生産者85名
津軽富士と言われる岩木山(いわきさん)からの冷たい風と海風がつくりだす昼夜の寒暖差。さらに水はけの良い火山灰が、ずっしりとした重量感のあるりんごを育みます。
※2016年から取引開始、「葉とらずりんご」が中心
4.りんごができるまで
稲や野菜は、種をまいてから1年間で収穫できます。
しかし、りんごは樹の形をつくるだけで4~5年を要し、1本の木が最大の収量となるまでには10年程度かかります。
また、その間に1年でも間違った管理をすると元に戻るまで数年かかります。
1年1年の管理の積み重ねが大切なのがりんご栽培です。
①剪定(1月末~3月)
りんご栽培の最初の仕事であり、青森県では最も重要とされる技術です。木の中まで日光が入るようにし、毎年よいりんごが実るように木の形を整えます。
剪定は、大変難しい作業で、「千本の木を剪定しなければ一人前になれない」とも言われています。
②肥料散布(4月)
人間と同じように、りんごも栄養が必要です。4月に肥料を散布して栄養を与えます(基肥という)。その後、6月頃にもう一度与えます(追肥という)。6月に与えるのは、ちょうどりんごの果実が大きくなり始め、栄養がたくさん必要になるからです。最近は、堆肥や有機質肥料も使われています。
③草刈り(4月~9月)
りんご園は、土からの水分の蒸発や土壌の浸食を防いだり、有機物補給ということから草を生やしています(草生栽培という)。
しかし、草が伸びすぎるとりんごの木と水分を奪い合ったり、虫などが出るので、4~6回程刈り取ります。
草刈り機には、肩にかけるコンパクトな機械や写真のような自走タイプ、ゴーカートのような乗用タイプがあります。
④薬剤散布(4月~8月)
病害虫からりんごを守るために行います。県の基準では年間10回の散布ですが、りんごの実にかかるのは7回程度です。
なお、安全性の高いりんごを消費者に提供するため、また、農家にとっても散布作業は重労働なので、少ない人では年間6回程度まで散布を少なくしています。
農薬も安全なものを使っていますし、使うときにも十分気をつけています。
⑤授粉(5月中旬)
ほとんどのりんごは、同じ品種の花粉がついても実になりません。そのため、他の品種の花粉をつけてやる必要があります。昔は、一つ一つの花に、人が花粉をつけていましたが、今ではマメコバチというハチを使っています。
⑥摘果〈実すぐり〉(てきか〈みすぐり〉:6月~7月)
りんごは、1つの株に5つくらい花が咲きます。これを全部りんごの実にすると小さなりんごしかできず、栄養が足りなくなって、来年の花ができなくなってしまいます。
そこで、3~5株に1つの実になるようにいらない実を取ってしまいます。こうすることで大きくておいしいりんごができます。花の時期に花を摘むと摘花となります。
⑦着色手入〈葉つみ、玉まわし〉(9月~11月)
りんごの実全体に太陽が当たって、色がきれいにつくようにします。
葉とりは、りんごの実に日影をつくる葉を2~3回に分けて摘み取ることで、玉まわしは、太陽が当たった部分だけ赤くなるので、反対側にも色がつくようにりんごの実を回転させる作業です。下手な人がやると、玉を回しすぎてりんごを落としてしまいます。
※この他にも、「徒長枝整理(とちょうしせいり:新しく伸びてきたいらない枝を切る)」や「支柱入れ、枝吊り(りんごが大きくなって重くなり枝が下がるのを防ぐ)」、色づきをよくするため品種によっては、「袋かけ・袋はぎ」といった作業もあります。
⑧収穫(8月~11月下旬)
こうして、一年間いろいろな作業によって育てられたりんごは、8月から収穫がはじまります。収穫の時もりんごにキズがつかないよう一つ一つていねいに収穫します。
5.栽培方法の特徴
●完熟堆肥、有機質肥料で栽培しています。
●農薬は最小限に抑え、除草剤は使用しておりません。
●無袋栽培・・・・・・太陽光線をたっぷり浴びた美味しいリンゴです。
●「有袋(ゆうたい)栽培」・・・害虫からりんごを守るために袋をかぶせる栽培方法でりんごの皮がなめらかになり見た目が良いというのが特徴。また、皮が薄くそのまま食べやすく、貯蔵も出来るといったメリットもあります。4月以降に出回るりんごは有袋りんごである場合がほとんどです。果実が小さなうちに袋をかけ、収獲前に袋を取り、一気に着色させます。
●「無袋(むたい)栽培」・・・字のごとく袋を掛けないで栽培する方法。袋をかぶせて育てたりんごと比較すると見た目は良くないですが太陽の光を直接浴びることから糖度が高く、香りに優れています。また収穫前には反射シートを敷き、果実の周りの葉を摘み取って太陽の光を当て着色させます。
●「葉とらず」・・・有袋りんごではなく、無袋りんごで、なおかつ葉を摘み取っていない自然体のりんごのことです。 その名のとおり、葉を取らないりんごを「葉とらずりんご」といいます。全体を着色させるため「玉回し」という作業が必要です。
※有袋と無袋の見分け方・・・「サン」という表示がりんごについているのは「無袋」のりんごのことです。代表的なりんごの品種「ふじ」だと「サンふじ」となります。ふじ以外にも「サンつがる」「サンジョナゴールド」など・・色んな無袋りんごをみることが出来ます。
6.サンつがるの特徴
りんご栽培の基本は、土作りです。
堆肥・有機質肥料・土壌改良資材等を年3回以上に分けて施肥し、これ以外にも菌床を発酵させた堆肥やりんごの搾汁カス・豚ぷん・モミ殻を混ぜ発酵させた中熟堆肥等も施肥、農薬散布は通常の防除暦よりかなり少なくなるようにしています。
栽培方法は、無袋栽培で行われており、除草剤は使用せず、年6~8回草刈りを行っています。食味と安全性に気を配ったりんご作りをしています。
またサンふじは、一個一個光センサーでチェックして年内は密の入った糖度の高い完熟りんごから出荷しています。
7.りんごを使ったレシピ
そのまま食べてももちろん美味しいのですが、ちょっとアレンジするだけでもっと美味しくリンゴが食べられたり、飲んだりできちゃいますよ!
◆◆◆グリーン鮮やか、プルーンスムージー◆◆◆
今はやりのスムージーが簡単にできます!
https://cookpad.com/recipe/5211042
◆◆◆アップルシナモントースト◆◆◆
体調管理は「しっかり朝食」から!
https://cookpad.com/recipe/2915668
◆◆◆りんごとチョコのやわらかクッキー◆◆◆
しっとりとした食感とほのかな甘さ
https://cookpad.com/recipe/2953440
大事に育てられたりんごです。ぜひお試しください。